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脱毛症の経験が、人権劇になった!

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12歳ですべての髪をなくしました。脱毛症です。今は「髪のない私にありがとう!」とご機嫌に暮らしています。多様性が当たり前になる社会に向けて活動中。 ■好き:おにぎり、風、星空、家族 ■モットー:自分を生きる、自分を楽しむ♪ ■著書「ここからの一歩」~母さん、髪がなくても大好きだよ~

人権のまちづくり

私の住む 中学校区には22年前から、

毎年『人権のまちづくり』をテーマにした フェスタがあります。

校区内の、3小学校、中学校、高校、保育園、幼稚園、公民館、地域……が一体となって、

人権について学び、繋がりを深めています。

来場者は600人あまり。

 

オープニングでは、毎年恒例 手話歌で会場が一つに。

続いて、演技発表。

後半は、各団体が 人権にちなんだコーナーを設けます。

高齢者の 疑似体験、車いすや UDタクシーの試乗、ユニバーサルデザインや、

人権問題について 正しい知識を得るための 展示コーナー、

自分・家族・仲間の大切さに気付くための 工作コーナーなど、

子ども達も スタンプカードを手に、楽しそうに回ります。

 

私の経験が 劇になる?

私の住む、小学校区は、毎年 人権劇に取り組み、

一昨年の 2019年は、

私の著書「ここからの一歩」を元にした 人権劇を作り、発表しました。

 

始め、公民館長さんや 友人から この話をいただいた時、

「本当に 劇に出来る? そりゃ、できたら凄いし、嬉しいけど……。」

しかも、発表時間は たったの20分ほど。

「いやぁ~、どうだろ?……」と、なかなか想像することが 出来ませんでした。

 

でも、友人たちの「劇にする!」「やろう!」の声。 

そして 今までのことを思い返し、

この仲間たちとなら 出来るんじゃないか!

と、信じられるように なりました。

 

そして、本番の一年前から、台本作りを始めました。

演じるのは、地域の子ども達。

「髪が抜けるところは どうする?」

「ツルツル頭のカツラを かぶせるの?」

「かぶってくれる子 いるかな? 難しいよね……」

「だったら、手にあざがあって、長袖で隠していたけど

隠さず生きられるようになった 設定にする?」

「でも、それじゃ、本当の思いは伝えられないな。」

「やっぱり 脱毛症のこと、本当のことを 伝えよう!」

・・・・・・

試行錯誤、話し合いが 続きました。

 

仲間が集まる!

参加者が集まり、準備開始。

まずは 幼児、小中高生、大学生、その保護者たち。

練習は、夜の7時~8時半。

子ども達は、夜の体育館に興奮し、ただただ 走り回り、

じゃれ合う…… 毎年 恒例の姿! (*´∀`)

お兄さんや、お姉さんが 自然と 小さい子のお世話する姿も、微笑ましい。

 

育成会のお母さん方も、

交代で 道具作りに 駆けつけてくださいました。

 

通行人や、お店のお客さん役には、

公民館の職員さん、民生委員さん、自治会長さん、地域の方々が。

お母さん役、先生役には、小学校の先生、

音響係には 先生とPTA会長 ……

 

どんどん、じわじわ 仲間が増え、

気づけば、84人の方が 協力してくださいました。

そして、限られた時間の中、練習が重ねられました。

 

耳の聞こえない方々にも 伝わりやすいよう、

手話通訳だけでなく、場面展開を パネルで表したり、

セリフは、出来るだけ 手話や ジェスチャー を交えながら。

手話指導の方にも 来ていただき、

覚えの早い子ども達に、大人もなんとか ついていきます!

 

練習が 始まるころ、

1人の中学生が 学校で つらいことが続き、

学校に 行きづらくなっていました。

小学生の時から、劇に参加してくれていた子です。

始め、今年の劇への参加は 渋っていたようですが、

「学校には行けないけど、ここになら来られる」といった思いで、

来てくれるようになりました。

 

そして、一生懸命、裏方での 段取りや 道具出しのタイミングを覚え、

欠かせない存在になりました。

「ありがとう!」「本当に助かるよ!」

みんなからの声掛けに 微笑み、

安心の表情を 見せてくれるようになりました。

 

今回は、練習の合間に、

お父さんたちの協力で、パン食い競争もして 盛り上がりました!

 

準備から当日に向け、劇のためだけでなく、

本当のかかわりを 深め、 心を一つに していきました。

 

本番スタート!

そして、本番!

私のそれぞれの時代を、友人の子と、うちの三姉妹の娘が 演じます。

子ども達には、ウィッグや帽子を かぶってもらいました。

(器械体操シーンでは、本当にウィッグがとれてしまう というハプニングも💦)

 

お母さん方は 交代でナレーター部分を 読みます。

低学年男子の 段ボール列車が通ると、その愛らしさに 笑いが (*´∇`*)

地域の方々が 登場すると、一気に リアルな社会感が 増します。

一番問題となった ツルツル頭を見せるシーンは、影絵で 表現!

 

みんな、練習以上に 心のこもった演技を してくれました。

( 裏で 着替えなどを手伝いながら 泣きそうになる私 …。)

 

最後は、みんなでずらりと並び、

会場の皆さんに向けて 手話で メッセージを伝えます。

・・・・・・

たった1人の誰かに 本当の気持ちを話せたら、大きな勇気が生まれます。 

あなたの味方になってくれる人は、必ずいます。 

仲間と一緒なら、出来ることがあります。 

    

頑張っている自分、弱っている自分、 

どんな時も、ありのままの自分を 見守ってくれる人がいます。    

ありがとう」

「そのままで大丈夫」

「ここにいてくれてうれしいよ」 

そんな 心の 居場所があれば、

自分は大切な存在だと 感じられる。 

    

ありのままの 自分が好き心からそう思えたら、 

自分の側に 立ち続けていた、大きな壁をぶち壊し、

一歩前に 進めるだろう。 

   

人と人とが 繋がり認め合い、みんなが「自分らしく」生きる。 

ここから一歩踏み出せる、そんな地域や 仲間づくりをしていきましょう。 

 

・・・・・・

会場からは、笑顔と、と 大きな拍手が 沸き起こりました。

   

みんなの思い、届け! 広がれー!

フェスタが終わってからも、

「感動しました!」など、様々な反響の声を いただきました。

本だけでは伝えられなかった思いを、皆のパワーで 劇を見てくださった

たくさんの方に 伝えられたこと、とても有り難く思います。

 

脱毛症のこと、人権、人とのつながり……

小さな地域からの発信も、

きっと大きな力になると感じています。

 

コロナ渦で、昨年は中止となり、今年もどうなるかは未定です。

でもきっと、心の触れ合いは、何かの形で続けていけるはず。

 

本当に苦しい時に、「助けて」と言える、

繋がっている」と実感できる 温かい信頼関係を 築いていきたい。

 

みんなが 自分らしく生きられる、

優しい人権のまちづくり、

家族、仲間、身近な地域から、社会全体へ…… 広がっていくことを願って。

 

ここからの一歩、私の一歩

私は、髪の毛がなくなったお陰で、福井から米子に来て 素敵な家族や仲間、

温かい地域の皆さんに 出会えることが出来ました。

そして自分の人生、脱毛症の経験を、

こんな風に劇にしていただいたこと、私の一生の 宝物です。

 

この経験が

「髪がなくなって、本当に良かったぁ」

「私が、今の私であることに ありがとう

と、心の底から思えた きっかけなのです。

 

そして、私自身また 新たな一歩を踏み出す 勇気をもらいました。

SNSでの発信を始め、皆さんと繋がることが出来たのも、

この劇があったからです。

 

せっかく、こんな素敵なプレゼントをもらったのだから、

私が今の私であることに もっともっと感謝し、

もっともっと 楽しんでいきたい。

それが 何かの役に立ち、誰かの幸せに繋がっていったら 嬉しい。

 

時空を超えて、思いを共有できる たくさんの仲間との出会いを楽しみに。

みんなが自分の個性や、もって生まれた天分

きらきら輝かせていけますように ☆彡

 

追記:

人権劇をきっかけに、このお話をもっと多くの人に届けたいと、

絵本」の製作が進められています♪ ワクワク……(´∀`)

皆さん、どうぞ応援 よろしくお願いします!

 

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12歳ですべての髪をなくしました。脱毛症です。今は「髪のない私にありがとう!」とご機嫌に暮らしています。多様性が当たり前になる社会に向けて活動中。 ■好き:おにぎり、風、星空、家族 ■モットー:自分を生きる、自分を楽しむ♪ ■著書「ここからの一歩」~母さん、髪がなくても大好きだよ~
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